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恩方育成園は、社会福祉法人東京都知的障害者育成会が運営する障害者支援施設です。

TEL. 042-652-3825

〒192-0154 東京都八王子市下恩方町2794-1

ごあいさつMessage

「存在」の価値創造

~風化させてはいけない!「相模原障害者支援施設殺傷事件」を~

                      施設長 久保田 美幸

 当園の軒下にツバメの巣が数か所、餌を運び入れ親鳥の姿にひなの鳴き声が響き渡り、子育てのにぎやかさと共に、当園においても4月から入職した新職員も先輩や利用者からの学びを通して、日々悩みながらも成長していく姿に感謝とエールを送ります。
ワクチン接種が開始され、新型コロナウイルス感染症の終息に向けて少しずつではあるが真っ暗なトンネルの先にようやく光が見えてきた様に思いたいが、ワクチンの次は有効な治療薬が待たれる。ワクチン接種が進む今も、世の中の人流は増加しリバウンドや第5波の脅威を想定しながらも、感染症と向き合い続けている医療従事者及び福祉従事者を始めとするエッセンシャルワーカーに、「ありがとう」と感謝を贈り、早期終息を心より願います。
 7月になると忘れることができない、いや、決して風化させてはならない5年前の7月26日未明に起きた「障害者は生きている価値はない」という思想を背景にあまりにも身勝手で凄惨な事件である「相模原障害者施設殺傷事件」、当時は信じがたい出来事に戸惑いを感じたことを今でも忘れることはできません。
 障害者自立支援法に伴い、措置の「保護の客体」から「権利の主体」へと考え方や捉え方の変革が行われ、障害者のある方の自立と共に「施設運営から法人経営」と支える側の変革も求められるようになり、障害者総合支援法や障害者の権利関する条約で「意思決定支援」と「合理的配慮」と当事者本人を主体者とするパラダイムシフトが巻き起きている中にあって、「相模原障害者施設殺傷事件」を起因に、当事者の「存在」は人として市民として価値あるものであることの創造が、今、私たちに求められています。
 障害者福祉の父である糸賀一雄氏が「福祉の思想」の中で、「この子らはどんな重い障害をもっていても、だれととりかえることもできない個性的な自己実現をしているものなのである。人間とうまれて、その人なりの人間となっていくのである。その自己実現こそが創造であり、生産である。私たちのねがいは、重症な障害をもったこの子たちも、立派な生産者であるということを、認めあえる社会をつくろうということである。『この子らに世の光を』あててやろうというあわれみの政策を求めているのではなく,この子らが自ら輝く素材そのものであるから,いよいよみがきをかけて輝かそうというのである。『この子らを世の光に』である。」と、障害福祉に関わる私たちにとっての原点です。
 現在、わが国でも共生社会の実現に向けて取組が行われており、障害者の権利に関する条約及び国や東京都の障害福祉計画においても「どんなに障害が重くても必要とするサービスを利用しながら、障害者本人が希望する地域で安心して暮らせる社会の実現を目指します。」と基本理念に掲げて取組まれています。
 当園においても、どんなに重い障害があっても地域で当たり前に普通の暮らしを実現するために、サブミッションを「私たちは、一人ひとりに在る力を活かし、本人らしい人生を実現します。」として「願いを実現する」地域生活支援施設づくりの中長期計画に取組んでおり、今年度も現在までに2名の方が当園より地域生活への移行を実現しています。
 彼ら彼女らの「存在」は、「だれととりかえることができない“存在”」であり、様々な可能性を秘めており、その可能性を引き出すことが我々の仕事でもあります。彼らの彼女らの存在によって、バリアフリー、ユニバーサルデザイン、インクルーシブデザイン、構造化など、多様性の世の中が様々なカタチで恩恵の光を受けています。
正に、「この子らを世の光に」です。

2021年7月  

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